つい先日のお客様からの質問です。食材の偽装や産廃業者からの横流し品を平気な顔して売っていたり買ったりするのか?食材の安全制に不安があります。
私なりの主観的回答です。(模範的回答ではありません。私は番組のコメンテイターさんみたいに学歴がありませんし料理人として一法人としての会社経営に携わる立場の意見です。)
先ず、食材の偽装の点から・・・私が料理人になったころを思い出してみますとこれほどフレンチ、イタリアンに関して食材が豊富ではありませんでした。私は山本直文先生が書いた料理の食材や調理法の辞書から勉強しました。当時、椎茸をセップ、小エビを芝海老という先輩もいたような、そういう風に教わった・・・
確かではありませんがそんなような気がします。
当時は大して問題にはなりませんでした。業者さんの方でこういう言い方のメニューで売れますよなんて薦められていたようなきもします。
でもそれは、皆様がわかる食材だから問題になるのですがこの間あるリゾートのカフェでエッグベネディクトを注文したらポーチドエッグの上にマヨネーズがかかって提供されました。それってソースオランデーズじゃなかったなんて普通の人は言いませんよね。(ソース オランデーズ 卵黄に少量の水を入れて湯銭でかき混ぜ澄ましbutterでリエゾンする。単体でもグラタンのソースやクリームソース系のリエゾンにも使える)
確か、オランデーズソースを掛けて提供すると辞書には書いてあると思います。まあ偽装ではありませんがそういう名前は本来使えないと思います。
私は、お値段から判断しますから他人様の作った物に評論しません。¥1200位のセットでわざわざ澄ましbutter使うとは思いませんし、別にコックコートも着てないカフェでそこまでやるとは思いません。値段から考えてというレベルの話です。以前、うちの店も税込¥3800のディナーコースを食べて期待してた程でもなんて書かれたことありますが・・正月明け、食材もろくに揃わない時期に前菜、2番目の皿、メイン(牛フィレ)、デザート、コーヒー、パンでそんな事書くのは何を求めているのかが疑問です。(東京じゃ牛フィレもでねんじゃねぇ)自分で作ればと言いたくもなります。話はそれました、お店でガムシロ下さいなんてお客様が言ったら当店のはシュガーシロップしかありませんなんて返せません。そんな事まで問題視していたらマンションや建物のくい打ちの偽装なんてどうなるのか?食品のレベルではありませんね!
食品の横流しについてただ一言、産廃業者は知らないが弁当屋さんに限らず飲食店は安く仕入れなくては
利益はないと思います。先ず、人件費の高騰(以前は見習いだからといって安く雇用出来た)、食材の高騰、電気代の値上げ、1個¥500円の弁当を作るのに通常¥150~¥200で上げないと利益は出ません。(お弁当屋さんの場合、一般飲食店と違いドリンクも出ないのでもっと薄利多売です。50%位原価率をかけないと普通の物は作れません。しかし居心地の良い空間の店舗はいらないので地代家賃を抑えています)それも数個のレベルではなく数百個のレベルで売れないと商売成り立ちません。1日に100個売って¥50000です。一ヵ月25日の稼働で125万円,先ず一人仕事では出来ない数です。作り手2名、多忙時店頭でのレジ、梱包等一名、合計3名の人件費、地代家賃、光熱費、食材代、FLコストの原則で言えば人件費3名(2名アルバイト)約41万、地代家賃光熱費等の固定経費と必要経費(リース代等含む)41万、材料代41万でそれぞれまかなわないといけません、内税表示ならその中からお客様からの預かり金である消費税の支払い、法人であれば労働保険、社会保険などの福利厚生費と法人税(法人税は年1回赤字計上でも市税、県税合わせて8万円強)などを捻出し自分の給与分の源泉税を差し引きます。41万の中から従業員給与を差し引き残りでやりくりします。多分税込総額で20万そこそこですね。年間税込240万、お嫁さんもきませんね!独り者なら可能ですが、家族を養うとなると生活出来るわけありませし老後の蓄えや自分の生命保険なんて後回しの話ですね、住宅ローンなんて夢の話です。そうすると何かを節約するかないですね、食材を抑えるか、人件費節約かそれ以外にないことになります。今の時代そんなにお安く提供できるわけがありません。(多分、食材の節約の方に目がくらんだのでしょう!)大雑把な計算ですが地方の飲食店の経営てこんなものなのです。ちょっと難しい話でお客様も口あけて聞いてました!!
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